2025/12/3更新
こんにちは!SHINKODO WATCH Online Storeです!
今回は2025年度リリースのG-SHOCKのハイエンドモデルである、MR-Gの限定モデルMRG-B2000KT-3AJR『鐵鐔(くろがねつば)』をレビューします。
→『【2025年度MR-G限定】鐵鍔「くろがねつば」レビュー:後編』へ

モチーフ元は刀の鐔『桐に鳳凰図鐔(きりにほうおうずつば)』

モチーフ元は日本が誇る彫金師の小林正雄氏の作品である、
『桐に鳳凰図鐔(きりにほうおうずつば)』。

こちらの鐔の柄である『鳳凰』を、MR-Gのベゼルに小林正雄氏が手掘で彫りこみ、
2025年度リリースされたMR-G鐵色(くろがねいろ)と称しているグリーンDLCコーティングを施したモデルとなります。
鐵色(くろがねいろ)で表現した鐔(つば)であるため、鐵鐔(くろがねつば)と呼称されます。
日本を代表する彫金師の1人、小林正雄氏

小林正雄氏は彫金師として活動しており、神社仏閣の金具の制作や文化財の復元のほか、茶道具や美術工芸品など、幅広い分野の錺金具(かざりかなぐ)製作で活躍しています。
祖父の代から続く錺師(かざりし)の三代目として、京都に彫金を学び、彫金師としても活躍。
その実績は、日本最高位の神社である、伊勢神宮における20年に一度だけ行われる国のお祭り『式年遷宮』の彫金まで手掛けるほど。
「現代の名工」、「黄綬褒章(おうじゅほうしょう)」を受章した、国に認められている技術実績のある方です。
過去にも、MR-Gの限定モデルである「衝撃丸(2020年)」、「衝撃丸-皚(がい)-(2023年)」も手掛けています。
今回のMRG-B2000KT-3AJR『鐵鐔(くろがねつば)』も、小林正雄氏が手掛けているMR-Gとなります。
『鳳凰』とは?

※旧一万円札の裏の鳳凰(平等院鳳凰堂の屋根飾りがモチーフ)
鳳凰とは古代中国の伝説上の霊鳥であり、中国美術や日本美術において、鳳凰が現れるときには「国に良いことが起こる」という縁起の良い『吉祥』の象徴とされています。
実は日本でもおなじみのモチーフであり、平等院鳳凰堂の屋根飾りが有名です。
建築の文化財の屋根飾りはもちろん、神輿の山車の飾りにも使われることが多く、日本文化とも密接に関わっています。
私たちの生活の中でも、福沢諭吉でおなじみの旧一万円札の裏側に。平等院鳳凰堂自体も10円硬貨にデザインされています。
鳳凰の持つ羽根は『青、赤、黄、白、黒』の5色を持ち、それぞれが儒教の五つの徳である『仁、礼、信、義、智』を表し、
平和と繁栄、そして不死と再生の象徴となっています。
その姿と羽根を落とし込んだMR-Gが、今作であるMRG-B2000KT-3AJR『鐵鍔(くろがねつば)』です。
吉祥を呼ぶベゼル
ベゼル周りは手掘りの細かい彫金が立体的に彫り込まれ、モデルの顔になっています!
この1つ1つを手掘りで行っているのだから驚きです。

小林正雄氏自身がベゼルの彫刻を手掛け、肉合彫り(ししあいぼり)という技法が用いられ、
鳳凰を立体的に掘り出し、躍動感あふれる『吉祥を告げる鳳凰の飛来』を表現しているそうです。

その彫刻は鎚(つち)と鏨(たがね)という道具のみで彫り込まれ、その1本1本を感覚と経験で手作業で堀込むそうです。
2つとして同じものは存在せず、それぞれがオリジナルで一点ものです。
