長く愛用するために知っておきたい。腕時計のよくある故障と対策ガイド

腕時計は毎日身につけるものだからこそ、知らないうちに負担が蓄積しています。

「急に止まった」
「時間が遅れるようになった」
「ガラスが曇った」

こうした症状は決して珍しいものではありません。

今回は時計専門店として、クォーツ(電池式)と機械式それぞれによくある故障や原因、日頃できる予防策、そして新光堂でできるサポートについてご紹介します。


◆クォーツ時計によくある不具合

クォーツ時計は高精度で扱いやすく、故障も少ない時計です。

しかし電子機器である以上、定期的なメンテナンスは欠かせません。

① 電池切れ

もっとも多い修理依頼が電池切れです。

症状としては、

  • 時計が止まる
  • 秒針が2秒(4秒)飛びで動く
  • デジタル表示が薄くなる

などがあります。

多くのクォーツ時計は電池寿命が2〜3年程度とされています。秒針の2秒運針は電池交換時期を知らせるサインです。

対策

  • 早めの電池交換
  • 長期間使わない時計も定期的に点検

② 電池の液漏れ

意外と多いのがこちら。

電池切れのまま何年も放置すると、内部で過放電が起こり電解液が漏れ出します。

この液体は非常に腐食性が強く、回路やムーブメントを傷めてしまいます。

対策

  • 止まった時計を放置しない
  • 定期的な電池交換

新光堂でできること

  • 電池交換(店頭又は、メーカー対応)
  • 回路交換の見積もり
  • メーカー修理手配

液漏れは早期発見が何より重要です。


③ 磁気による精度不良

スマートフォンやタブレット、ワイヤレスイヤホンケースなど、現代は磁気だらけです。

クォーツ時計もモーターで針を動かしているため、磁気の影響で進み・遅れ・停止が発生することがあります。

対策

  • スマートフォンの上に置かない
  • バッグのマグネット部分に近づけない
  • ワイヤレス充電器の近くで保管しない

◆機械式時計によくある不具合

機械式時計は数百個の部品が組み合わさって動いています。

そのため、適切なメンテナンスを行えば何十年にもわたって使い続けられますが、放置すると不具合も発生します。


① 精度不良(進む・遅れる)

最も多い相談です。

原因としては、

  • 磁気帯び
  • 油切れ
  • 部品摩耗
  • 衝撃によるズレ

などがあります。

対策

  • 落下させない
  • 強い磁気を避ける
  • 定期的なオーバーホール(分解掃除)

② 磁気帯び

機械式時計の天敵とも言えるのが磁気です。

ヒゲゼンマイなどの金属部品が磁化すると、

  • 急に進む
  • 遅れる
  • 止まる

といった症状が現れます。磁気の影響を受けた機械式時計は、磁気源から離しても影響が残る場合があり、脱磁作業が必要になります。

対策


③ 油切れ・部品摩耗

機械式時計内部には潤滑油が使われています。

しかし油は永遠ではありません。

年月とともに乾燥し、

  • 振りが弱くなる
  • 止まりやすくなる
  • 精度が悪化する

といった症状が出てきます。

対策

3〜5年程度を目安にオーバーホール(分解掃除)を行うことが推奨されています。

新光堂でできること

  • オーバーホール受付
  • メーカー修理手配

※新光堂で取り扱いのないブランドの時計もお預かりできますので、お気軽にご相談ください。


④ 水入り(浸水)

高額時計でも意外と多いトラブルです。

原因は、

  • パッキン劣化
  • リューズ閉め忘れ
  • ガラス破損

など。

内部に水分が入るとサビが発生し、修理費用が大きくなるケースもあります。

対策

  • 防水性能を過信しない
  • 定期的な防水点検
  • 温泉やサウナでは外す

◆オーバーホールの主な内容

① ムーブメントの完全分解

時計内部の部品を一つひとつ分解します。

機械式時計であれば100~300点以上の部品が使用されており、それらを細かく点検します。

② 部品洗浄

長年使用して付着した古い油や汚れを専用の洗浄機で除去します。

古い油が固まると、

  • 精度低下
  • パワーリザーブ低下
  • 部品摩耗

の原因になります。

③ 摩耗部品の交換

点検時に摩耗や破損が見つかった部品は交換します。

例えば、

  • ゼンマイ
  • 歯車
  • パッキン
  • 巻真
  • リューズ

などが対象になることがあります。

④ 注油・組み立て

時計専用の潤滑油を適切な箇所へ注油しながら再組立てします。

油の量は多すぎても少なすぎても不具合の原因になるため、熟練した技術が必要な工程です。

⑤ 精度調整

機械式時計の場合は姿勢差などを確認しながら精度を調整します。

メーカーやモデルによって基準は異なりますが、本来の性能に近づける作業を行います。

⑥ 防水検査

ケースを閉じた後、防水性能をチェックします。

特にダイバーズウォッチや日常生活防水モデルでは重要な工程です。

劣化したパッキンは交換されます。


⑦ 最終検査

数日間実際に動作確認を行い、

  • 精度
  • 振り角
  • パワーリザーブ
  • カレンダー機能

などをチェックして完了となります。

◆人間で例えると「健康診断+人間ドック」

電池交換が「栄養補給」なら、

オーバーホールは

「健康診断・治療・リハビリをまとめて行う総合メンテナンス」

のようなものです。

外見は問題なく見えても、内部では油切れや摩耗が進行していることがあります。

オーバーホールは単なる掃除ではありません。時計を分解し、洗浄・注油・部品交換・精度調整を行い、本来の性能を取り戻すための総合メンテナンスです。大切な時計を10年、20年と使い続けるためには欠かせない作業と言えます。

新光堂では各ブランドの正規メンテナンス受付を行っておりますので、「最近精度が気になる」「購入から5年以上経過した」という方はお気軽にご相談ください。

◆実は多い「故障ではない症状」

お客様から修理相談をいただく中には、実は故障ではないケースもあります。

例えば、

  • 自動巻き時計の巻き上げ不足
  • 磁気による一時的な精度不良
  • 日付送り時間帯での操作ミス

などです。

新光堂では修理に出す前に症状を確認し、本当に修理が必要かどうかも含めてご案内しています。


◆新光堂にお任せください

時計は故障してから修理するよりも、故障する前のメンテナンスが重要です。

新光堂では

など、各ブランドに応じたアフターサービスを承っています。

お気に入りの一本を長く使うためにも、

「最近少し調子がおかしいかな?」

と思ったら、ぜひお気軽にご相談ください。

時計は直して使い続けられる数少ない工業製品です。

大切な一本の未来を、新光堂がお手伝いいたします。